島根県の西部'鹿足郡津和野町の入り口に、久城木工所が在る。昭和二十九年の創業当時、建築業界は賑わいを見せ、仕事が溢れ、活気づいていた時代。その流れに乗り建具や家具も多く必要とされていた。
そこは木製建具・家具の製造販売をオーダーメイドで製作する木工所。既成品に満足できない人々が'自分だけのオリジナル製品を求めて相談にやってくる。
「目立たないけど必要なもの。ないと困るもの。」 二代目社長の久城さんは、自分の仕事は「お客さんの夢を叶えること。お客さんの眼の色が変わるくらい感動させなきゃ意味がない。」と熱い眼差しで語ってくれた。その為に、想いを徹底的に聞く。これでもかってくらい聞く。「はじめから値段なんて絶対言わないんです。だって、お客さんが本当に欲しいものはどんなものか分からないでしょう。お客さん本人だって分かっていないんですよ。」
場所を見れば想いがわかる。話をすれば夢が伝わる。そう語る久城さんが練りに練って作成した品々はどれもお客さんの夢から始まったもの。創業以来、60年近くこのスタイルを貫くことで、多くの夢と喜びの笑顔に出会わせて頂いています。